いっそおかしな妄想まで付き合ってくれ

関ジャニ∞が大大大好き。丸山くんにたらしこまれたい。

舞台「パラダイス」を観てきました

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2020年に上演するはずだったけど、コロナで泣く泣く中止になった丸山隆平さん主演舞台、パラダイス。2年振りにリベンジということで張り切って観に行ってきました。

 

想像してたより重くも難しくもなかったです。普段から好んで韓国のエグいドラマや映画を見ているので人間のドロドロやアウトレイジ、血、サイコには慣れっこというのもあるかもしれない。ただ、これを見終わったあと、気分は晴れた~とか元気もらった~そういうのは全くない。むしろちょっと暗くなる。登場人物は1人を除いてみんな嫌な奴だし。

 

そんな感じですが、初見ながら気になるなと思った点や自分なりの考察をつらつらと備忘録用に書いておきます。できるだけ時系列で。がっつりネタバレするので見たくない人はスルーでお願いします。

 

◎梶くんが研修生を殴りながらする障害者の話

冒頭から梶くん(丸山隆平さん)の暴力シーン。詐欺グループの研修生を梶くんがボコボコにするんだけど、「暴力じゃなくて魔よけ的な」「詐欺は世の中への復讐」みたいなことを言って自分を正当化してて、クズじゃんって思った。その中で「障害者の特番を見てたら『自分は生まれた時から罰を受けてるような気分だ』と言っていた、目からウロコだった。自分は普通の家庭で普通の両親に育てられて普通に大学に行って普通に就職もしたけど、同じような気持ちだ」というセリフがあるんだけど、これはどんな人でも悪に落ちる可能性(因子を持っている)があるということを言いたいのか、それとも宗教的なアレなのか...ここは謎です。

 

◎ボーリングシーンから感じる辺見と青木のヤバみ

辺見さん(八嶋智人さん)と青木(水澤紳吾さん)がボーリングをしているシーン。まず、舞台装置がスゲー!ってなった。上と下を切り替えて場面転換するのかと。ただただ雑談をしながらボーリングをするシーンなんだけど、青木の異常さ(違和感)が凄かった。普通だったらボスを立てて丁度いい感じに適当にボーリングをするし、あんなふざけた掛け声や応対はしないだろう。絶対こいつサイコパスだなって思ってた。辺見さんだって近くに置きたいのはもっとちゃんとした奴だろうから、汚れ仕事を進んでやってくれるんだろうなって。私はこの時から青木を怪しげな目で見ていた。

 

そして、梶くんに「最近自分の知らないところでコソコソやってるよね」と言った上、家族構成諸々調べた結果を報告する辺見さんもヤバいなって思った。「疑り深いから」みたいなことを言ってて、半分は警告なんだと思うけど、たぶん残りの半分は嫉妬だよな。怖。めっちゃ浩一のこと好きじゃん。

 

◎小川家の人間の妙なリアルさ

自分が1番的な父、卑屈な母、クレーマー体質で気の強い姉。会話の内容も3人の動きもあぁこういう家族っていそうだな~という妙なリアルさが一気に舞台を異空間から現実に持ってくるよね。姉の話し方の癖が「●●だからぁ~」っていうのも、今までそうやって周りを動かしてきたんだろうな(そうしないと動かない周りの人間なんだろうな)って感じがしてなんかキツかった。

 

浩一が帰ってきたのに、いないかのように振る舞う父母姉も怖かった。初め浩一は幽霊なんじゃ...?と思った程。それだけ家族と長い間疎遠だったということか、家族と精神的にも距離があったかということか。

 

ところで、小川家の人間なのに梶の姓を名乗っているのはなぜだろうと思ってた。詐欺師の源氏名的なやつ?だから梶くんは辺見さんに浩一って呼ばれるのを嫌がったのかな?と思う。

 

◎BBQでのいざこざ

研修生の中にいた若林はヤクザの組長の愛人の子(ややこしいな)であったことが判明。利害関係から仕方なく引き受けたという辺見さんに対して、他の研修生は今も頑張って詐欺活動をしてるのになぜ若林は呑気にBBQを楽しんでるんだ...と憤慨し、若林をボコボコにする梶くん。梶くんの真面目さや優しさが垣間見れたシーンだった。もしかして若林は姉の子供では...?と思ったけど、中学生でバドミントン部と言ってたから違うね。韓国ドラマの見すぎだった。そこまで世間狭くない(Amazon悪くないのノリで)。

 

その後、研修生が初めて振込詐欺に成功してみんなで歓喜するシーンがあるんだけど、やってること詐欺だからね!!??ってつっこんでた。正直今の私にはこのシーンで喜ぶ彼らの達成感や復讐心みたいなのが全くわからないので。

 

◎1番の被害者、マロンちゃん

小川家の飼い猫マロンちゃんが失踪する。家族総出で捜索するが見つからない。なんで浩一がマロンちゃん探しに駆り出されてんだよ!というツッコミは置いておき、病気で余命幾ばくかの父が体調を崩している姿を見ながら何も言えない(父も察してかやたらどうでもいいことを喋る)あの雰囲気はリアルだったな。唯一胸が傷んだシーンかもしれない。

 

その後真鍋さんに電話をする浩一。辺見さんへの裏切りの見せしめにマロンちゃんは殺された。足を洗って沖縄にでも逃げろと。マロンちゃん、1番の被害者。まじかわいそう。

 

この後、姉がやってきて光一に質問攻めするんだけど、内容がどこに住んでるの?とかトンチンカンなものばかりで姉もなかなかだなと思った。

 

◎なぜ梶くんは辺見さんを殺しに行ったのか

なんで殺そうと思った??そんな心の描写あったか??というのが正直な所なんだけど、元々梶くんは悪になるべくしてなった人じゃなくて(やたら自分を正当化してたのもそういう気持ちだろうし)、少しは善良な気持ちを持っており、辺見さんに対して違うだろと思うこともあったのかなと。ボーリングでの軽い裏切り(プライベートの詮索)や、BBQの事件、久々の家族との触れ合いを通じて善良な気持ちの方が勝っちゃったのかなと。でも、自分も死ぬつもりだったみたいだけど、自分と周りが死んだとしても何も変わらないっていうのはわかってただろうに、なんでこんなことをするんだろうというのは未だに疑問。何を守りたかったんだろう。

 

◎腐った匂いの話

沖縄に逃げたはずの真鍋さんは、指を詰めて辺見さんに謝罪に行っていた模様。「日本人が嫌いだった」のセリフから真鍋さんは在日で、今まで悲しい思いを沢山してきたんだろうなと察した。古き良き日本人のワルが大切にしていた義理と人情にこの舞台で1番熱かったのが真鍋さんっていうのはちょっと皮肉がすぎる。真鍋さんしか勝たんよ。

 

突然梶くんが小さい頃の話を始める。「家の匂いが大嫌いだった。腐った臭いが台所の辺りでしているけど原因が見つからなかった。大人になってそれは人間の匂いだったと気付いた。」と。普通自分の家の匂いって、自分では気付かないはず。しかも台所というのは家族団らんの場の象徴。そこに嫌悪感を抱いていたというのは、家族と精神的な距離があったということではないかと思う。冒頭実家に帰ったシーンで父母姉と距離があった気がしたのはこれだなと思ったし、生まれた時から罰を受けてるような気分というセリフにも納得した。小さい頃から家族の中にいても疎外感が半端なくて、自分はなんでこの家に生まれたんだろうかなんて思ってたんだろうな。原因は何か知らないけど。そこら辺がもう少し浮き上がってきたらなぁと残念に思う。

 

◎突然出てくる研修生とイカれたおっさん

ビルの屋上あーだこーだしてたら突然出てくる元研修生の女の子と、このビルに入る精神科に通うおっさん。ちょっと唐突すぎない?って感じだけど、研修生を非常階段から逃げさせたのは梶くんや脚本家の未来の希望の象徴だったのかなと思う。おっさんの存在意義はよくわからない。誰か教えて。個人的には弊社でもああやって診断書を振りかざして休みたがる職員がちょこちょこいるので腹が立って仕方なかった(笑)

 

◎カラスと犬の話

サイコパス青木が大暴走しはじめた時、「元々カラスも犬も3足歩行だった。神がカラスの足を1本取って犬に1本足をあげた。だから犬はおしっこをする際に、神からもらった1本の足を濡らさないように上げるらしい。そんな神は偉いことをしたわけじゃないのに。カラスから足を奪って犬にあげたというのに。」

自分が住む世界の構造をこう例えて辺見さんや真鍋さん、カラスをバンバン撃っていく青木、サイコがすぎるけど言わんとしてることはわかる。世の中ってどこもそういうもんだよね。辺見さんのことを青木がやたらと神と言ってたのもこの伏線だった。

 

ちょこちょここうやって引用話をする辺りが、韓国エンタメっぽいなと思うんだよな~。

 

◎結局梶くんは殺されたのか

青木が梶くんに銃を向けたところで暗転。結末はいかにという感じ。

次にある小川家のシーンで「あんたなんで帰ってきたの?まぁカレーいっぱい作ってあるから食べて。」と姉が言ってることから、予想外に帰ってきた人物が相手だと言える。ただ、直前の会話で父が「孫はいつ帰ってくる?」と聞いているので、①遅く帰ってくる(帰ってこない)はずだった孫が帰ってきた、②浩一が帰ってきた の2パターンが考えられる。

 

個人的には、浩一が悪の世界から足を洗って普通の世界に戻っていたらなと願いたいけど、恐らく①だと思う。そんなに人生簡単じゃないし、青木が浩一だけを生かす意味がわからないから。なんなら青木が1番嫌いだったのは浩一ではないかなと思うから。研修生たちに詐欺をやらせ、何の罪もない人から奪った富を分け与えて喜ぶ神であり、辺見さんに良くしてもらいヘコヘコしてる犬のような人だから。カラスと犬の話そのまま。

 

あと自分が従ってた辺見さんが溺愛してる人だからというのもあると思う。「お前(浩一)だけは友達だと思ってた」という辺見さんのセリフがあったけど、あれを目の前で言われた青木の気持ちになったら悲しいよなって思うから。自分は違うんかい!って。生き残っても帰るところがないと言ってた浩一だから、ここで死んだ方が本人としても楽なんだと思う。

 

◎この舞台の主題とは?

善と悪は表裏一体であるということ。善に見える人でも悪かもしれないし、悪に見える人も善かもしれない。誰しも少なからず善悪を持っていて、それが目に見えるか見えないかというだけ。そんなもんだよねって感じかな。舞台を上と下で使っているのも、線引きという意味なのかもしれないなと思った。明るい意味は全然ないきがする。これをパラダイスと表現するのが面白いなと思った。

 

◎最後に言わせてほしい

丸山隆平さん、終始スタイルが良すぎませんか????? 厚みのある上半身!2メートルあると思われる脚!全体のバランス!素晴らしい。ブラボーである。骨格の素晴らしさが顕著に出る服装ばかりをチョイスしてくれた衣装さん、ありがとうございます!!ボーリングのシーンで椅子に座った梶くんの脚の長さに惚れ惚れしたし、マロンちゃんを探すシーンで、安っぽいネックレスにはだけたシャツを着る梶くんのエロさに持ってかれた...正直あそこのシーンのセリフとかほとんど覚えてないわ...首の詰まっていない服を着る丸山さんは最高なんですよ...

 

気付いたら4500文字超の文章になっていた。とりあえず初見の感想文は終わり。無事大千穐楽まで駆け抜けられますように。